《価値を問い直すこと①》
売れなくなった商品は、本当に価値がなくなったのか?
「以前と同じように商売をしていても、商品が売れなくなった」
「これまでと同じ手法では広告効果が上がらない」
「求人を出してもさっぱり人が集まらなくなってしまった」
私たちグレイスデザインのお客様から、近年こんな声をよく聞くようになりました。お客様の多くは、地方中小企業の経営者の方々です。
様々な業種の方がいらっしゃいますが、これまでと同じやり方が通用しなくなってきていることは共通項のようです。
そのような状況の中で企業が存続していくためには、組織や商品・サービスを時代に合わせて変化させ続ける必要があります。企業が変わろうとするとき、何を変えるべきで、何を守るべきなのかを問い続ける姿勢が重要である、と私たちは考えています。企業が社会の変化に対応し、未来を描くために必要な取り組みとして、私たちグレイスデザインとソフィアクロスリンクが提案するのが「価値の問い直し」です。問い直しの必要性や、実施するメリット、具体的な方法について、私たちがこれまでお手伝いしてきたクライアントの事例も交えながら、3回シリーズでお伝えしていきます。
商品やサービスの「本当の価値」が迷子になっている?
グレイスデザインは、商品・サービスのブランディングを中心とするデザイナー集団です。
商品やサービスのイメージを一新し、これまでとは全くちがうブランドイメージを打ち出したい。これまで使っていたパッケージやWebサイトなどコミュニケーションツールのデザインを変えたい。
そんなご依頼に対して、私たちは、お客様にさまざまな問いを投げかけ、お客様が実現したいことを掘り下げていくことで、本当に解決すべき問題は何なのかを探ります。
その中で、企業が持っている本質的な価値が何なのか、経営者にも従業員にもわからなくなっていることが非常に多くあります。
市場環境が急速に変わる中で、自分たちが何を大切にすべきで、顧客が自社の何に価値を感じているのかが見えづらくなっているのかもしれません。
価値を社外から問い直すことが有効な理由
では、本質的な価値とはどのようなものでしょうか。
私たちは、「企業自身が社会に対して提供したい価値(主観)」と「顧客が企業に対して期待する価値(客観)」の重なる部分に、その企業の持つ本質的な価値があると考えています。企業が自ら変わることで時代の変化を味方につけるには、その本質的な価値に焦点を当てて、事業の在り方を見直していく必要があります。
私たちに仕事を依頼してくださる企業経営者の皆さんは、「うまくいっていないがどうしていいかわからない」「何かを変えなければと思っているが…」というお悩みを持っています。何が問題なのかわからないと、何を変えるべきなのか発見することは非常に困難です。
組織の中で「これは自分たちが誇るべきものだ」「これまでにない新機軸だ」と思っていることが、外から見えればごくありふれたことだったということや、また逆に社内の人間には取るに足らない当たり前に思われることが、外から見ると非常に稀な、素晴らしいことだということが、実はよくあります。このように、自社の状況は往々にして正確にとらえるのが難しいものです。
そこで、まずは何が問題なのかを理解するために、私たちがファシリテーターとして介入し、経営者と現場の社員の双方を巻き込みながら、自社の本質的な価値は何なのか、問いかけ、対話する場を作ります。
迷子になっている価値を連れ戻す
お客様自身が自社の持つ本当の価値に気付くと、進むべき方向が見えてきます。その結果、やるべきことが当初の依頼とは大きく変わることも珍しくはありません。
「企業ロゴのデザインを変えようと思っていたが、問題はそこではなかった」「商品のパッケージデザイン変更を予定していたが、パッケージだけでなくブランドコンセプトから見直すことにした」といったことも、実際にあった例です。
商品やサービスの価値はなくなるのではなく、時代やニーズの変化によって見えなくなっているだけなのです。問い直して掘り起こすことで息を吹き返し、また新たなかたちに生まれ変わらせることができます。
本質的な価値を問い直すこと、それは簡単ではなく、時には見たくないものを見なければならない可能性もありますが、それ以上にワクワク感を引き出せると私たちは考えています。
なぜ問い直すことがワクワク感につながるのか?それは「価値を問い直すこと」②でお話しします。
《価値を問い直すこと》②→こちら
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