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コラム《価値を問い直すこと②》

       
《価値を問い直すこと②》価値の源泉からワクワクする未来を引き出す

《価値を問い直すこと②》

価値の源泉からワクワクする未来を引き出す

 

前回の記事で、時代の変化の中で事業がうまくいっていない企業は「時代やニーズの変化によって、商品やサービスの持つ本当の価値が見えなくなっている」ということをお伝えしました。

今回は、見えなくなった価値を掘り起こすために私たちグレイスデザインがお客さまに対して提案している「問い直し」とはどのようなものか、事例を交えてご紹介します。

《価値を問い直すこと》①→こちら

 

価値の源泉はどこにある?

 

売れる商品やサービスには、顧客がそこに対価を払いたいと思える「価値」があります。

いま存在している企業には必ず、商品やサービスを通じてこれまで顧客や社会に提供してきた価値があるはずです。

前回の記事でもお伝えしたとおり、私たちは、「企業自身が社会に対して提供したい価値(主観)」と「顧客が企業に対して期待する価値(客観)」の重なる部分に、その企業の持つ本質的な価値があると考えています。

そこで、私たちはまず、過去・現在においてその企業がどのような価値を提供してきたのか、主観と客観の両面から問いかけていきます。

創業者の思いや当時の社会状況、社会の変化にともなう主力商品の移り変わり、経営危機を乗り越えたエピソード、従業員の思いやお客様の声など、さまざまな角度からひも解くことで、会社への理解が深まり、価値の源泉が見えてきます。

このプロセスを経営者だけでなく従業員と一緒に行うことで、会社の事業や歴史に対する従業員の理解や、社内の相互理解にもつながります。

 

全員参加でワクワクする未来像を描く

 

自社の持つ価値の源泉が見えてきたら、つぎは、将来の事業継続に向けて未来を描きます。

未来の社会がどうなるのかは誰にもわからないので、自社の未来像に「最適解」はありません。しかし、企業が時代の変化に適応しながら前に進んでいくためには、関わる人すべてが「こんな未来をつくりたい」と思えるような、ワクワクする状態をつくることが必要だと、私たちは考えています。

「最適解」は無理でも、対話を通じて、いまの時点でベストだと思える「適解」を出すことならできます。自社の未来像の実現に向けて、一人ひとりがいますぐにでも動き出したいと思えるような「ワクワク解」を出せたらなお良いでしょう。

対話を通じて会社の将来が全員の「自分ごと」になり、関わる全員が「これだ!」と思えるようなワクワクする未来を描くことができる。そんな場づくりを、関係者へのインタビューやワークショップの実施、アウトプットの視覚化・言語化などのサービスを通じて、私たちはお手伝いしています。

 

問い直しから生まれた変化【企業事例】

 

では、価値を問い直すことで、組織や商品・サービスにどのような変化が生じるのでしょうか。3つの事例をご紹介します。

 

■現在の思いを形にする−「KURAW」ダイセンアグリ株式会社

最初に依頼いただいたのは、島根県産の農産物を使った加工品のシリーズにつけるロゴマークのデザインでした。すでにロゴのひな型までできている状態で手直しのみを依頼いただいたのですが、私たちには「なぜそのロゴを作る必要があるのか」その背景が気になりました。

代表の方に依頼の背景を伺ったところ、日本の食料自給率の低さに対する危機感や、地産地消の必要性に対する強い思いをお聞きすることができました。しかし、ロゴを変えるだけで、その思いを商品に乗せるのは困難です。そこで、ブランドのコンセプトデザインから、ロゴやラベルのデザインまでご提案し、商品シリーズのリニューアルを実施。持続可能な農業への願いを込めた加工品シリーズ「KURAW」として生まれ変わりました。

→事例について詳しくはこちら

 

■過去の原点に立ち返る−「森の演劇祭」NPO法人あしぶえ

演劇祭のイメージを一新したいとの相談を受け、50年以上の歴史を持つ劇団であるあしぶえの皆さんと、「これだけ世の中に娯楽があふれる今、なぜあえて演劇なのか」といった点から掘り下げて対話を重ねました。その中で、活動をはじめた当初から劇団内で大切にされてきたという「演劇は心の食べ物」という言葉に出会いました。

子どもたちが日々見ている動画コンテンツは心の食べ物になるだろうか?演劇こそまさに心の食べ物と言えるのではないか?私たちの意見に、劇団の皆さんは最初半信半疑でしたが、対話を進めるうちに心に響くようになり、演劇祭のコンセプトとして採用されました。

劇団の中では、当たり前の言葉、古い言葉として埋もれていたものが、演劇祭の本質を伝えるコンセプトとして息を吹き返したのです。

答えはお客様自身の中にあると確信した出来事でした。

事例について詳しくはこちら→

 

■未来志向で今をとらえ直す−「100周年記念事業」ヤンマーキャステクノ株式会社

長い歴史と高い鋳造技術を持ち、大型船舶などのエンジンの基幹部品を製造している同社。100周年記念誌の提案にあたってご担当者と対話をする中で、工場勤務の社員が多く、自社の歴史や技術、世の中における存在意義が十分に認識されていないことが課題であるとわかりました。

そこで、私たちがご担当者に投げかけたのは「会社の存在意義、その中にいる社員の存在意義に気付ける100周年記念事業とは」という問いです。その後、ご担当者の発案で、今後の会社のあり方をみんなで考える未来志向ワークショップ(ワイガヤ会議)を複数回開催。ワークショップを通じて会社の新しいミッションや、未来の工場図も生み出され、自社の過去を振り返るだけではなく、「未来」までを描いた周年記念誌が出来上がりました。

記念誌を作成する過程で起こった変化は、「ヤンマーのグループ企業として一部品を作っている」という社員の意識が、「ヤンマー製品の心臓部となるエンジンの製造に携わっている」という誇りに変わっていったことです。記念誌と合わせて作成したPR動画がヤンマーグループ内で評判になり、周年を迎える同業他社からも参考にしたいとの問い合わせがあるなど、グループ内外から反響がありました。また、周年事業の後にWebサイトのリニューアルを経て、求人への応募が大幅に増加するなど、社内外に向けたブランディングの効果が上がっています。

事例について詳しくはこちら→

 

ゴールが見えれば、いまやるべきことも見える

 

商品やサービスの価値を問い直すことで見えてくる「価値の源泉」は、目指すべきゴールを考える上で社内の共通言語となります。

対話を通じて自分たちがワクワクできる未来像を描き、そのゴールに至るまでの道のりを描くことができたら、あとは一人ひとりのアクションとして実行に移していくのみです。

ヤンマーキャステクノの事例は創業100周年の記念事業でしたが、過去と現在を振り返り、対話を通じて自社の未来について考えるプロセスは、すべての事例で共通しています。たとえ商品・サービス単位の見直しなど小規模の取り組みでも、このプロセスを経ることで周年事業と同じような効果を得て、会社に変化をもたらすこともできます。

では、問い直しはどのような状況に効果があり、どう進めていけばよいのでしょうか。次回の「価値を問い直すこと」③では、問い直しの具体的な方法についてお話しします。

 

《価値を問い直すこと》①→こちら

《価値を問い直すこと》③→Coming soon

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ソフィアクロスリンクの記事はこちら

〈シリーズ:組織の価値を問い直す①〉いま地域企業にも「問いや哲学」が必要な理由

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